3.どう運営していくのか? ②
さて、これらを理解していただいたところで、はじめの運営方法に戻ってみましょう。
①直営は、文字通り全てを自社で運営する方法のことです。
②全てを委託 というのは、上記の業務を全て保育事業者にお願いすることです。
但し、設置者が何も関わらなくても良いわけではなく、例えば従業員の利用申込窓口として、また保育料の徴収、保育事業者とのコミュニケーション等の最小限の業務は必要になります。
判りにくいのは、
③一部委託 というスタイルでしょうか。
一部というのは、たとえば給食だけ委託、または警備や清掃のみを委託するということ。
給食が一番よくある例だと思います。
社員食堂や、お弁当屋さんのイメージ。想像ができますよね。
どの運営方法がいいのか?ということに関しては、各々の会社の事情によると思いますが、例えば、小規模(目安として定員10名以下)で融通性を重視したい施設の場合は、①直営が向いているかもしれません。同じ会社の方が窓口ですので、保護者の方は安心ですよね。
でも、やっぱり専門的すぎて、命を預かるにはリスクが大きいかなと思われる場合は、②全部委託 ③一部委託を検討したら良いと思います。
また、基本は①直営 にして、運営に慣れるまで月に1~2回程度保育事業者にコンサルティングしてもらうというスタイルもあると思います。
私達のような保育事業者に委託すると、費用が結構かかるんじゃないの?と、単純にそう思われがちなのですが、私の経験上、実はそうではない様な気がします。
直営でも、人件費や保育費に信じられないほど経費をかけて運営している施設もあるんですよ。
直営は直営なりの悩みや問題点もあるようで、ご相談も多いんです。
それも設置者が業界のことを知らないからだな・・と私はこっそり思っています。
では、委託だったら安いのか?それも違います。
要は内容と費用のバランスなのですが、そこも設置者の理解度に頼るところもあるので、なかなか難しいところです。保育事業者の選び方はのちほど。
ちなみに、こんなデータがあります。
◇従業員数でみる運営方法
300人以下 直営 96.9% 委託 3.1% 一部委託 0%
300人以上 直営 52.6% 委託 26.3% 一部委託 21.1%
◇設置主体で見る運営方法
民間企業 直営 80.0% 委託 15.6% その他 4.4%
医療施設 直営 84.6% 委託 12.8% その他 2.6%
◇設置時期で見る運営方法
平成14年以前 直営 90.8% 委託 5.7% その他 3.5%
平成18年以後 直営 83.0% 委託 12.6% その他 4.4%
◇全国平均 直営 73.9% 委託 17.0% 一部委託 9.1%
(経済産業省 平成21年度サービス産業生産性向上支援調査事業(事業所内保育施設等実態調査事業)報告書による)
つまり、300人以下の企業では、殆どが直営。300人以上の企業では、直営と委託が半々。
医療施設よりも、民間企業の施設の方が委託率が高い。
そして、最近開設した施設の方が委託率が高い。
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