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HOME > 第2章 事業所内保育施設は こうつくる! ②運営 (2)保育運営

5.保育士の配置

保育士を採用しようとする際に、あらかじめ頭に入れておきたいのが保育士配置です。
児童福祉施設最低基準第33条第2項、または認可外保育施設指導監督基準に示されている保育士配置は以下の通り。
0歳児  乳児3人につき保育に従事する者1人
1・2歳児 幼児6人につき保育に従事する者1人
3歳児   幼児20人につき保育に従事する者1人

保育に従事する者の概ね3分の1(保育に従事する者が2人の施設、及び1人が配置されている時間帯にあっては1人)以上は、保育士又は看護師の資格を有する者であること

ある事業所内保育施設のコンペで、「1・2歳児10名に対し、御社は何人の保育士を就けられますか?」と問われたことがあります。
唐突にそのように聞かれても、正直何とも言いようがありません。
法定基準通りに配置すれば良い時もあれば、同じ1歳児でも月齢が低いお子さまばかりが10人いたら、それもまた異なります。そもそも子どもというのは、小さいほど個体差が顕著ですし、実際の子ども達を見なければ、何人の保育士が必要かは判らないものです。

私は、そのような質問をする設置者の意図がよく判らなかったのですが、その後、実際に働いている保育士に聞いたところによると、どうやらその施設では、10名のお子さまに対し、9名の保育士、6名のお子さまがいれば5名の保育士を配置して保育をしているということでした。
それが手厚い保育であると思っているようですと・・。
この考え方はベビーシッターなのでは?保育とはちょっと違うような感じがしますね。

この例はさすがに極端だとしても、確かに法定配置人数で十分だと言えないのは事実。
事業所内保育施設では、最低2名の保育士を配置することになっています。
だから、常勤を2名採用すればいいのではなく、非常勤を含め、少し余裕を持って採用しておくことをお薦めします。入園するお子さまも従業員の採用に伴い変動していきますし、ちょっと多いかな?と思っても、段々そうではなくなりますよ。私は毎年実感しています。

さて、前項の保育士の採用のところで、保育環境の閉鎖性について述べました。
例えば、法定配置人数の2名分を、常勤保育士2名のみを採用したとしましょう。
そうすると、2名の保育士と子ども達が常に同じ環境にいることになります。
人材の安定は確かに大切なことですが、いつの間にか慣れが出てきて、やるべきことも疎かになり、お子さまへの接し方も判断も偏ったものになりがち。それが、もっと悪い方向に進めば、知らず知らずのうちに、お子さまへの虐待につながることだってあり得ます。
そう思うと、やはり環境の固定化は、やっぱりあまり良いことではないと思われます。

それともうひとつ。保育のアレンジが乏しくなります。
春や秋の遠足、花や野菜の苗植え、プール、クッキング、クリスマス会、お餅つき、豆まきなど、様々な季節の行事やイベントは子ども達の経験と成長には大切なことですが、保育士2人でできることは限られます。子ども達に対して、この経験をさせたいとか、こんなことやってあげたいという前向きな思いよりも、これしかできないという視点で保育をすれば、自ずと子ども達が経験することも減ってしまいますね。

以上のことを考え、事業所内保育施設における保育士配置は、オープンな環境と、お子さまの人数変動や行事などのマンパワーに耐えうる体制を踏まえて行うのが良いということですね。
そうですね。開園日時が月~金8:30~18:30、定員10名程度の施設でしたら、常勤1名、非常勤3~4名程度の保育士は必要なのではないでしょうか。



7.1日の流れ
7.1日の流れ(2015-10-28 10:11)

6.保育士の教育
6.保育士の教育(2015-10-26 10:22)

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