はじめにお読みください

HOME > 第2章 事業所内保育施設は こうつくる! ②運営 (1)施設運営

3.安全・保全(防災計画)

・消防、防災計画(防災訓練)
東日本大震災以来、防災に関する考え方がより重要視されるようになりました。
突然の事態に、いつもとは異なる対応をしたことが子ども達の命を奪ったのだと、後に裁判になった幼稚園の事件もありましたが、そのような保護者の思いを突きつけられると、保育施設の第一の役割は「お子さまの命を守る」ことなのだと改めて思い知らされます。
保育現場では、とっさの時にイレギュラーの対応をすることはよくあること。
先生方は、子ども達を守ろうと必死だったに違いありません。しかし、それは5名のお子さまが亡くなったという事実の前では、何をもってしても園側の責任は免れないのだと思います。
こんな悲しいことが二度と起こらないために、私達は日頃から防災に対する意識を高めておかなくてはなりませんね。

さて、事業所内保育施設を含む保育施設には、防災訓練を月に1回以上行う義務があります。
その根拠はこちら。
児童福祉施設最低基準の第一章 総則(第六条2項)の『前項の訓練のうち、避難及び消火に対する訓練は、少なくとも毎月一回はこれを行わなければならない』

保育士の経験値の全ては、いざという時に「子ども達の命を守る」ためにあると私は考えています。突発的なことが起きた時に、保育士自らが動揺して大きな声で子ども達に接したり、バタバタと落ち着きのない行動を執れば、子ども達は不安で大泣きするなど、保育現場が混乱します。
どんな時でも冷静で正しい判断と行動を執るためには、日頃の思考と言動に意識を払うことが最も大切。いつもできないことは、いざという時はもっとできないということです。

それは子ども達も同じ。自分の身を守る行動を知っておくことは大切です。
小さなお子さまですので、言葉を理解して動くのは難しいですが、何かの合図で机の下にもぐる、集まる・・などの約束事を決めて、定期的に訓練を行っておけば、ある程度のことはできるようになるでしょう。

災害はいつ起こるのか、どんな形で訪れるのか全く分かりません。
施設の特異性などを考慮して、様々なパターンを想定した訓練が必要です。
そして、それは保護者にも知っておいていただく必要があります。災害時における施設側の対応、お子さまの動き、引き渡しに関する保護者へのお願いなど、判り易い書面を作成し、しっかりと掲示または配布しておきましょう。
緊急時に慌てないために、連絡先一覧表なども電話の周りに掲示しておくのも大切なことです。

災害時には電話(携帯含む)がつながらないことも多いもの。その際の連絡手段を、施設の掲示板、HPやブログ、災害伝言ダイヤルなど、複数決めておくことはとても大切です。
当社では、東日本大震災時に実際に行なった対応として、まず①保護者の携帯電話に連絡をし、次に②あらかじめ提出して頂いた緊急連絡先、そして③ブログ、最終手段として④災害伝言ダイヤルにてお子さまの安否連絡をいたしました。
被災地の先生からは、電話よりメールの方が有効だったという話も聞きました。防災無線で対応した園も。いずれにしても、連絡手段は複数想定しておく必要がありそうですね。

事業所内保育施設を保育業者に委託している場合は、設置者と保育業者で予め打合せをし、緊急時における連絡ルートと役割分担を明確にしておくことも大切です。

参考までに、防災に関する書類の一部を例として出しておきます。
<6-1_安全防災訓練計画(例)>http://www.careean.co.jp/blog_pdf/6-1.pdf
<6-2_緊急避難マニュアル(例)>http://www.careean.co.jp/blog_pdf/6-2.pdf

※該当施設が作成する防災計画については、「第2章 事業所内保育施設はこうつくる!」②運営(2)保育運営 2-3運用書類の方で掲載しています。


3.安全・保全(備蓄) に続く >>
<< 3.安全・保全(提携病院) に戻る



4.保育料の決め方
4.保育料の決め方(2015-09-25 07:29)


  • 保育施設請負
  • よくあるご質問
  • お問い合わせ